 ２０１９年１１月１日 第２５０話 |
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| こよなき幸せ | ||||
修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること 安らぎを体得すること、これがこよなき幸せである。 スッタニパータ２６７ |
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今を生きることが悩みの解消法 事件や事故の恐怖体験は自分の心に記憶される。いじめや虐待、人間関係のしがらみは心の傷となる。それが親子や夫婦、兄弟という身近な間柄であれば、とても深い心の傷になります。 恐怖の体験や、辛く悲しいことがいつまでも記憶されて消えないとか、その体験がよみがえってきて苦しくなるという人がありますが、はたしてそうでしょうか。 人の身体は常に新陳代謝して、一呼吸ごとに新しい私に変わっていきますが、過去にこだわり、過去を引きずっていると、身心一如であるのに頭の認識が新しい私になっていかないからギャップが生じる。このギャップが悩みそのものです。 小さな自分の過去にこだわり、過去を引きずっていると、今が過去になり、未来も過去になるから先々に不安を感じてしまいます。読んだ新聞を捨て去るように、過去を引きずらないで、いつでも今が出発点だから、今を生きることが悩みの解消法のようです。 |
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| この世は共生の世界です 他の人のことをとても気にする人は、常に他から自分が注視されているとか、他から自分の行動に関心をもたれているなどと思い込み、ものすごく神経をすり減らしています。ところが、自分は他の人の目線や気配など全く気にしたことがありませんという人もあります。他の人のことをとても気にするタイプと、それほどでもないタイプ、人は様々です。 人はだれでも自分より大切な人はいないから、自分のことばかりが気がかりで、他の人のことなど気にする余裕などないというのが本音です。だから、自分に関心をもたれて注視されていると思うけれど、他の人は自分に対して自分が思うほどに、さほど注視していないのです。けれども、注視され関心の的になっていると思いこんでしまうから、それがストレスとなり、心身に影響して、悩みにつながっていきます。 いずれにしても、他がどうだとか、他が原因だとか言っているうちは、何ら苦悩は消滅しないでしょう。自分の生き方を変えなければ、自分が変わらなければ、根本的な解決になりません。 この世は共生の世界ですから、誰もが共に生きる仲間なのだと思うことです。過度に他を気にしないようにすることが悩みの解消法です。向上心と利他心があれば、いつでもどこでも主人公になれるでしょう。 |
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| 向上心がある人は迷うことがない 生命体は新陳代謝していますから、新しい細胞が生まれる一方で古い細胞が死滅します。新しい細胞が生まれる以上に古い細胞の消滅が大きくなると、老化の進行が速くなり、やがて生命体は死をむかえます。 生まれたことは、その時からやがて死ぬということが決まっているということです。だから人は死を恐れ、死を遠ざけたいと願います。ところが、人は絶望すると、その果てに自死してしまうことがあります。けれども自然界においては食の連鎖は命の連鎖だから、一つの死は他の生の源になるので自死はありません。自死するのは人間だけです。 こころの病に悩む日本人が三百万人、ひきこもりが七十万人から百万人、そして自殺者が三万人近いといわれています。四苦八苦というけれど、生きている限りついてまわることばかりです。ところが、この四苦八苦に人間関係が絡んでくるから、深刻な悩みになります。日本人のだれもがうつ病や神経症、ひきこもりになるおそれがあるということです。 いつでも今を人生の出発点として、真理を求め真理に生きる、すなわち向上心がある人は迷うことがない。だが、向上心がない人はあらゆる欲望や誘惑に右往左往して、心が乱れているから常に不安な日々をおくることになります。 |
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| こよなき幸せ この世は共生(ともいき)の世であるから、生まれてきたことも、今、生きているのも、生かされているのだと認識できる人には利他心があるから、生きづらさをさほど感じないでしょう。けれども自分の力で生きぬくのであるから、自分大切、自己中心・利己で生きればよいではないかと思っている人は、生きづらさを感じるでしょう。 「あなたは、なぜ、この世に生まれてきたのですか」 「あなたは、なぜ、今、存在しているのですか」 「あなたにとって、幸せとは、何でしょうか」 この質問に、あなたはどう答えますか。 その答えは、共生きの世だから、 「あなたが、この世に必要だから生まれてきた」 「あなたが、今、この世に必要だから存在している」 そういうことでしょう。 だから、あなたがこの世にとって必要な存在になればよい、ということです。すなわち、あなたの個性と能力を生かして、この世で必要な働きをすれば、あなたは他から必要とされ、他から感謝され、他から尊敬されるでしょう。このとき、あなたは「幸せである」と実感できるでしょう。これがこよなき幸せである。
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